川崎の老人ホーム転落事故 犯人は職員なのか
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川崎市の有料老人ホーム「Sアミーユ川崎幸町」の転落事故。3つの事故の全てで夜勤を担当していた元職員が疑われていますが……。
川崎の老人ホーム転落事故 犯人は職員なのか
川崎の老人ホーム転落 事故なのか事件なのか
以前の記事では川崎の老人ホーム転落が事故なのか事件なのかを分析しました。
・運営主体は事故と主張 … 運営主体積和サポートシステム株式会社の主張。
・事件をうかがわせる根拠 … 転落直前に言い争いが聞こえたとの証言。
・事件事故の判断に無関係な内容 … ①3回の転落場所が全て同じ(事件ならばあえて疑われる場所を選ばない)、②3回とも同一の20歳男性が夜勤(確率上奇異とまでは言えない)、③背が低く体力のないお年寄りに対して1.2mの手すり。
詳細 ➡川崎の老人ホーム転落事故 川崎の老人ホーム転落事故 犯人と原因を探る
週刊文春が夜勤担当の元職員を取材
週刊文春が「事故」のあった3回、夜勤を務めた元職員に取材をしています。その要旨は以下の通りです。
・元職員は23歳の若い男性。2014年5月に施設内で窃盗事件(19件、200万円以上)を起こし逮捕。
・神奈川県警も嫌疑を持ち内偵を続けていた。9月に入り朝日新聞がスクープ(その後警察より注意を受ける)。
・「その場にいたのは事実ですし、当直勤務していたのは隠す必要もないと思います。ただそれだけです」と報道陣とやり取り(2015年9月)。警察の聴取に対しても否認。
・事故死扱いで初動捜査が不十分だったため、操作は難航している。元職員に対しても2015年年頭以降、新たな証拠もなく聴取はできていない。
・現在は惣菜づくりのアルバイトで生活。
(週刊文春9月24日号)
夜勤担当の元職員の人柄
同誌によれば元職員の実家は電器店。中学では「楽しいことなんて数回しかなかったと思う」と挫折も感じていますが、高校の合唱コンクールで指揮者として最優秀賞に貢献。専門学校に進学し救急救命士を取得したものの、指揮者を目指して高校生の指導をしながら介護職員として生計を立てていました。
合唱コンクールで中心に立ったことを人生最大の良い経験と振り返り、窃盗事件で得たお金で同僚におごっていたことから、脚光を浴びることが生きがいだったようです。
運営主体の親会社の評判
出典:施工会社による
「事故」の合った老人ホームの運営主体は積和サポートシステム株式会社。その親会社は株式会社メッセージです。同誌によればある介護コンサルタントとは、金儲け主義が過ぎ、低価格で人気はあるが、食事が悪く事故も多いと意見を述べています。
職員の給与が抑えられ、人材が入れ替わり券種が不十分となる介護施設が抱えがちな悪循環に陥っていたとも記しています。入所者からは排泄の補助も不十分だったとの証言も出ています。
関連記事 ➡ 介護保険8つの問題点(3)高齢者虐待は介護施設の人手不足が背景
川崎の老人ホーム転落事故 犯人は職員なのか
文春の記事を見る限り、万が一職員のなかに犯人がいるとしても証拠保全がほぼ皆無で立件は難しいのではないかと思います。夜勤担当の職員は窃盗での逮捕歴があり、経営主体も良心的とは言い切れないなど状況証拠は十分ですが、物的証拠がない様子で捜査は難航しそうです。
一方で窃盗を働いたことで明るみに出れば疑われることが分かっていながら犯行に及ぶのも謎というところで、非常に不可解な事件(事故)です。
いずれにしても、学校教育のように本来は国が担当すべき介護を低コストで民間任せにし、良質な人材の確保や継続的な教育が機能していない状態に根本的な背景はあります。
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